「しゃんしゃん祭について」

◯下村佳弘副議長 太田縁議員。
                〔太田 縁議員 登壇〕(拍手)


◯太田 縁議員 市民の縁側、太田縁です。

台風12号により県内各地も被害が発生しました。このたびも「観測史上初」という言葉をたびたび耳にしました。自然の力ははかり知れず、絶対安全という目標を立てることは不可能だと言えます。まずは、リスクの分散・避難の方法や、河川や山の管理が重要であると考えます。1つの大きな箱物を建てたらまちが救われるという方向性に疑問を感じる市民の皆さんが多いのは当然だと思います。市庁舎問題の渦中ではありますが、しゃんしゃん祭についても多くの市民から意見が寄せられています。祭りの熱が冷めないこの議会でしゃんしゃん祭について、実態と課題、試みと成果・企画・運営・PR・会場整備の状況などについて質問いたします。

さて、この祭りは、昭和40年8月15日から始まりました。ことし47回を数えました。しゃんしゃん祭は昭和39年9月21日月曜日、現庁舎の完成記念式で初披露されたという因縁もあります。まずは、しゃんしゃん祭振興会の会長である市長のしゃんしゃん祭に対する思い、考え方をお伺いします。

次に、市庁舎整備について、市民が主役のまちづくり・市民への情報発信・耐震性・市民会館・登録文化財制度についてお尋ねします。

昭和37年から39年ごろの鳥取市議会議事録を読むと、市庁舎整備に関して、当時も50年たった現在もほとんど同じ議論が交わされています。今回は、市民の意見を取り入れて市庁舎移転構想をまとめたと市長は述べておられます。にもかかわらず、このたび市民から住民投票条例制定請求が提出されました。このことは、市の市庁舎整備の進め方に市民が納得していないことを示しているのではないでしょうか。当然50年前は鳥取市自治基本条例は存在しませんでした。請願や署名運動が生まれても、さらに合法的な住民運動に発展できませんでした。今回の住民投票条例制定請求は鳥取市自治基本条例に基づいて行われたものでした。この自治基本条例によってマル・バツで決着をつけるシンプルな住民投票案に救われたと思い、署名活動が広がったと思います。市民の疑問から提出された請求は、市長の否定的だと受け取れる見解を添えて市議会に提案されました。残念なことに、十分な議論もないままに否決されたと感じている市民が多いのが現実です。

さて、自治基本条例制定は単なる時の流れだとおっしゃる職員もいらっしゃいますが、市長は鳥取市自治基本条例をどのような思いで制定したのかお尋ねいたします。壇上での質問は以上です。


◯下村佳弘副議長 竹内市長。
                  〔竹内 功市長 登壇〕

            


◯竹内 功市長 太田議員の御質問にお答えします。

まず、しゃんしゃん祭です。しゃんしゃん祭の第47回、8月6日から8月15日にかけてしゃんしゃんウイーク10日間が鳥取市の代表的な夏祭りとしてにぎやかに行われました。一部雨が降ったりすることもありましたけれども、全体としては天候にも恵まれて、にぎやかな祭りであったというふうに思っております。関係の皆様の御協力、御支援に心からまず感謝を申し上げたいと思います。

この祭りについて、御質問にお答えいたしたいと思います。

鳥取しゃんしゃん祭は、江戸時代より伝わる因幡の傘踊りをだれでも簡単に踊ることができるようにアレンジしたしゃんしゃん傘踊りを市民の祭りにしようと昭和40年に始まりまして、官民一体となった取り組みで、ことしの第47回を迎えるに至ったわけです。最初の昭和40年では21連、1,046人の踊り手の参加であったということでありますが、47回の今回は101連、4,000人と、参加人員で見て規模も4倍にもなっているという状況であります。本市を代表する夏祭りとして全国にも知られるところでございます。

鳥取しゃんしゃん祭は、本市のみならず近隣の町、あるいは県外、関西とか姫路市とかそういったところからの参加者も多くございます。昨年からはしゃんしゃんウイークを設定して、中心市街地のにぎわいの創出とか地域経済の活性化にも大きく貢献するよう、期間を延ばし、内容を充実させてきたというところでございます。今後とも、踊り子の皆さんの協力をいただきながら、ふるさと鳥取の一体感が感じられるとともに、踊りの質の向上やスムーズな運営を行うことで、「鳥取の祭り」から「日本の祭り」となるような取り組みを第50回に向けて現在鋭意行っているところであります。

それからもう1つは、住民自治基本条例の質問であります。

御質問の中に、住民投票の条例制定の請求がありました。これは必ずしも住民自治基本条例に基づいてということではなかったと思いますが、これは自治法上、前の建てかえのとき、昭和37年ぐらいから議論が始まって、完成したのは39年でありますが、私の理解では、その当時も自治法上はそういう規定があったのではないかと思います。いずれにしましても、鳥取市が県内でも4市の中では一番最初でありますし、たしか制定の時点では北栄町が先行していたように思いますが、早い時期に市として提案して市議会の議決をいただいて制定した鳥取市自治基本条例であります。

これは、私の思いといたしましては、平成16年11月の市町村合併によりまして市域が拡大し、全体として鳥取市が9つの地域によって構成される新鳥取市という形になったわけでして、それぞれの地域が抱えるさまざまな課題に対応するシステムが必要だというふうに考えたところであります。そして、それぞれ合併前は独立した市町村だったわけでありますから、それぞれの流儀というものもそれなりにある中で、全市に共通した新しいまちづくりのシステムが必要だということで、必要性を痛感いたしました。

そこで、まず第1に、地方自治の基本は住民自治だという考え方で、自治の主役は地域住民のパワーだと。地域をよくするのは地域住民の力だよということを基本の理念の第1に置き、また第2に、人と人との助け合いの関係、支え合いの関係、こうしたものが地域をよくしていく大事な部分だということで、地域コミュニティーの活力を高めることで住みよいまちづくりを実現していこうと。そういった第1、第2の考え方の中で、この条例の参画と協働のまちづくり、そうしたものがこの条例の中に位置づけられてきているわけであります。言葉をかえて申し上げれば、自治基本条例は鳥取市のまちづくりの基本ルールを明らかにするものと考えておりまして、これを合併後の鳥取市として大切にしていきたいというふうに思っております。これを受けて、平成20年度を「協働のまちづくり元年」と位置づけ、以来、参画と協働のまちづくりの取り組みを強力に推進しているところであります。


◯下村佳弘副議長 太田縁議員。


◯太田 縁議員 ありがとうございます。

まず、しゃんしゃん祭についてお話ししたいと思いますけれども、参加人数がふえている、連もふえているということを伺いました。この組織体制はどのようになっているのか、あるいは問題点、概略でいいですので、簡単に教えていただけませんか。


◯下村佳弘副議長 竹内市長。


◯竹内 功市長 担当部長からお答えします。


◯下村佳弘副議長 杉本経済観光部長。


◯杉本邦利経済観光部長 お答えいたします。

鳥取しゃんしゃん祭は、踊り子代表、市民団体、経済団体などで構成いたします「鳥取しゃんしゃん祭振興会」、これが祭りの企画・運営や事業計画、あるいは財源の確保、他の関係団体との調整など、主に民間が主体となって運営を行っているところでございます。振興会の事務局でございますが、鳥取市観光協会に置かれております。また、祭りの実施に当たりましては私ども本市の経済観光部、これと連携しながら実施している現状がございます。また、しゃんしゃん祭の振興会、この予算規模を御紹介いたしますと、およそ3,000万、そのうち本市の補助金が2,400万ということになっております。また、それ以外の収入につきましては、企業等からの協賛金、あるいは関連グッズの販売、こういったものを財源としております。

先ほど市長の答弁でもございましたように、第47回の参加連は101連、4,000人といった非常に大規模な祭りだというふうに承知しております。したがいまして、課題といたしましては、これらの多くの皆さんの意見を集約しながら祭り全体を運営するといったことが一番重要であり、大きな課題だといったふうに認識しております。以上でございます。


◯下村佳弘副議長 太田縁議員。


◯太田 縁議員 その祭りに対する問題点ということなんですけれども、運営について昨年より外部委託で行っていると伺っていますが、これは先ほどおっしゃった問題の解消につながっているのか、端的にお答えください。


◯下村佳弘副議長 竹内市長。


◯竹内 功市長 担当部長からお答えします。


◯下村佳弘副議長 杉本経済観光部長。


◯杉本邦利経済観光部長 お答えいたします。

昨年から、民間のイベント関係の会社にしゃんしゃんウイーク全体にかかりますイベントの企画立案、総合調整、あるいは一斉傘踊りの進行管理、これらについて委託してきているところでございます。また、一斉傘踊りにつきましては、踊り子連の皆さんにも主体的に協力していただいており、それで実施しております。平成22年度からこの企画・運営を民間委託したことにつきまして、一斉傘踊りの渋滞解消等、しゃんしゃん祭の課題解決に一定の成果が上がってきていると考えているところでございます。以上でございます。


◯下村佳弘副議長 太田縁議員。


◯太田 縁議員 主体的に住民が行っていて、ウイークも盛り上がっているというふうに受けとめましたけれども、鳥取市の場合、ほかの地域では、祭りが終わったらすぐに来年の祭りの準備を始めると。それに比べてしゃんしゃん祭は内容の決定が遅い。観光に携わる方からはPRが遅いなどの意見があります。予算執行手続が難しいために準備がおくれているのだと考えますが、踊りは例年決まり切ったことですね。なので、債務負担行為をかけるなどして対策ができないのか、見解を伺います。


◯下村佳弘副議長 竹内市長。


◯竹内 功市長 しゃんしゃん祭の実施に関する御意見、御質問でございます。担当部長からお答えします。


◯下村佳弘副議長 杉本経済観光部長。


◯杉本邦利経済観光部長 お答えいたします。

鳥取しゃんしゃん祭振興会、この場では、やはり市民の皆さん、あるいは観光客の皆さんはもとより、踊り子の皆さんのためにも、できるだけ早く日程あるいは踊りのコース、これらを決定したいといったことを考えているところでございます。御紹介いたしますと、昨年の第46回、この日程が決定したのは平成22年1月19日ということで、祭りの年の1月だったといったことでございます。また、ことしを御紹介いたしますと、平成23年の祭りにつきましては昨年12月25日に決定したといったことで、早期の日程・内容決定に向けて、振興会の皆さんと踊り子の皆さんが一体となって企画・運営に努めていただいているといった取り組みをしております。

また、債務負担のお尋ねがございましたが、一昨年から、例えばしゃんしゃんウイークを設定するということでディズニーのパレードを呼ぶというようなお話がある場合は、必要に応じて債務負担、これらの設定をさせていただいているものでございますので、必要に応じて債務負担の設定をしながら、日程は早目に決めていくといったふうな考えでおります。以上でございます。


◯下村佳弘副議長 太田縁議員。


◯太田 縁議員 日程の、早目ということで1月ということですが、私は先ほどから1年ぐらい前から準備したいというふうに申し上げましたので、このことについては御検討いただきたいと思います。

また、ディズニーを呼ばれたときに債務負担行為をやったということですけれども、ディズニーだけでなく考えていただきたいと思います。

しゃんしゃん祭は、本来はイベントではなく、先ほど市長のお話にもあったように、祖先を供養する盆踊りに端を発していると思います。本来は踊ることに意味がある。踊りを通して地域への愛着・歴史・文化への誇りがはぐくまれます。しゃんしゃんウイークのような派手さよりも、踊り手が踊りやすく成長しやすい環境を整えていくことが先決だと思います。例えば音響・照明・清掃、環境の整備などを解決し、沿道と踊り手が一体となることで本当の意味での「市民主体の祭り」だと感じることができると思います。御検討ください。

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平成23年9月定例会「しゃんしゃん祭.pdf
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