「弓道場と市民との合意形成手順について」

◯太田 縁議員 早ければ平成26年に計画し、着手していくということでお伺いしました。

さて、今、少し西高の問題が出ましたけれども、周辺の文教環境計画についてということでお伺いいたします。

今年度より、中学校において武道の必修化が実施されました。武道については昨年の本議会でも大変議題に上げられました。本市においても武道への理解をいただいていると感じ、武道の振興に携わる1人として、うれしい限りです。

さて、現在、布勢に中国大会規模の大会が開催できるような、大会用とも言えるような弓道場が建設中です。遠的場を持つ非常に立派な弓道場を建設ということは執行部から報告を受けております。しかし、先ほどの説明によりますと、鳥取城の保存計画の一環として大手御門を整備する、そのことにより現在の弓道場のところが西高の進入路になり、弓道場が取り壊される計画というふうに拝見しております。この弓道場は、武道館の隣にある弓道場ですけれども、近隣の中学生が非常によく利用しており、稽古の場をなくすことは大変遺憾に思います。平成24年度における鳥取市における中学校の部活加入者は、剣道が113人、柔道46人、弓道が230人と、圧倒的に弓道の部員加入者が多いことがわかります。中学校の敷地内で矢を放つということは、危険も高く、中学校、あるいは各中学校に弓道場をつくるということは大変困難だと思います。弓道場が不足しているということはあっても、余っているということはないというふうに思っております。現在、保護者や中学生、高校生、大学生、また近くの楽しみに通ってこられる高齢者の声から、存続の声が上がっております。

また、この弓道場は本来、武道館と一体のものであり、武徳殿からの経緯もあります。歴史的なゆえんも多く、簡単に取り壊しを行う施設ではないと、関係者はもとより、近隣の住民は驚いております。西高の進入路となるということですから、そもそも大手登城路の計画がなければ、壊されることがないんじゃないかとおっしゃっている方もあります。昭和46年3月に建設されて以来、この弓道場の景観は人々にとってなれ親しんだ歴史的な景観ともなっております。

さて、ここで1つお伺いします。この弓道場の取り壊しについて、検討会などを設置したり、市民の意見を取り入れたりして決定されたかどうかをお伺いします。


◯中西照典議長 木下教育長。


◯木下法広教育長 新しい弓道場の新築にかかわるお尋ねでございます。

鳥取城跡保存整備事業及び鳥取西高校整備事業についての鳥取県との協議によりまして、現弓道場の解体撤去は県が実施し、新しい弓道場の整備は、用地取得を含めて鳥取市で実施することとなりました。また、新しい弓道場には、広い用地を要する遠的射場の整備も求められておりました。こうした広い用地を本市が近隣に保有していなかったために、現在地付近での新築の検討は行えず、最終的には布勢地内での着工に至ったものであります。以上でございます。


◯中西照典議長 太田縁議員。


◯太田 縁議員 検討委員会等を設置し、この弓道場を壊すことについて議論されたかどうかということをお伺いしたいんですけれども。


◯中西照典議長 木下教育長。


◯木下法広教育長 先ほども申し上げましたように、近くに、広い用地を要する遠的の射場、こういうふうなものも実は必要なわけなんですが、それらを得ることができないというふうなことから、現在の場所では新たな弓道場をつくるということが無理であるというふうに判断したということであります。以上でございます。


◯中西照典議長 教育長、要はそういう審議の場が開かれて、そこでそういう審議がされたかどうかというところが、今、太田議員の質問でありますので、それにお答え願います。木下教育長。


◯木下法広教育長 お答えいたします。

新しい弓道場の建設候補地や施設概要については、弓道協会、それから学校、そして一般の利用者の代表、学識経験者による鳥取市弓道場建設検討委員会というのがございまして、ここで検討していただきました。この検討結果については、平成21年10月に市民政策コメントを実施いたしまして、市民に幅広く情報を提供し、意見募集をさせていただき、応募いただいた意見については本市の考えをホームページで公表させてもらったと。そういう経緯であります。


◯中西照典議長 太田縁議員。


◯太田 縁議員 先ほど私も申し上げたように、執行部から、新築の議論についてはしっかりいろんな議論もされていますし、新築のことについては当然議論されたということは了解しております。ではなくて、壊すということに関して議論したのか、議論の場があったのかという。いわゆる弓道関係者ではなく武道関係者全体に、把握もあるわけですし、そういう議論の場があったかということを伺っているんですけれども。


◯中西照典議長 木下教育長。


◯木下法広教育長 先ほどお答えしました検討委員会、ここで候補地等々を議論していただいたわけなんですが、そのときに当然、おっしゃるような、壊すとか残すとかというふうなこともここで議論していただいております。


◯中西照典議長 太田縁議員。


◯太田 縁議員 そのことは確認済みで、議事録もなかったということも確認しておりまして、その委員会の中では特別に、そこは新しい弓道場を建てるということの議論のみをされていて、要するに、壊すという議論はどこでもされていないというふうに執行部から報告を受けているんです。けれども、本当にどういう状況で壊していくのかというようなことを検討する場を設けたか、設けていないかということなんですけれども。質問の意味が御理解いただけないでしょうか。


◯中西照典議長 木下教育長。


◯木下法広教育長 私は今、十分把握していない部分がありますので、これはまた後日お答えしようと思います。以上でございます。


◯中西照典議長 竹内市長。
                  〔竹内 功市長 登壇〕


◯竹内 功市長 直接関連する議論ですので、触れさせていただきますが、この西高の耐震改修工事に関して、先ほども県・市で協議する中で弓道場の撤去の話が出てきていたわけですが、一方で、鳥取市の景観形成審議会に鳥取市はこの案について審議しておりまして、その際、西高への進入路の新設に当たって鳥取市武道館弓道場を撤去するという計画内容を示して、この景観形成審議会、これは一般の方も入った、景観にかかわる審議会であります。景観のことも御質問の中にありましたのでね。この審議の結果として了承いただいているということであります。したがいまして、進入路をつくるために弓道場を撤去するということに関しては、計画内容としてお示しした上で、その景観形成審議会での審議の結果は、これを了承いただいたという経過がございます。


◯中西照典議長 太田縁議員。


◯太田 縁議員 景観審議会というのは景観を議論する場所であって、弓道場の必要性だとか、今、弓道場をどういう人が使っているだとか、歴史性があるだとか、それを議論する場所ではないと思います。なので、まずはこの弓道場に関してということは、先ほど教育長から答弁がありましたけれども、あったのか、ないのか。なかったというふうに執行部から実は報告を受けております。なので、こういう議論の場はなかったというふうに、後で教育長はもう一度答弁するとおっしゃいましたけれども、そういうふうに確認させていただいてもいいんでしょうか。これは議長に確認するんでしょうか。


◯中西照典議長 それは後ほど教育長の答弁でいいですね。太田縁議員。


◯太田 縁議員 じゃ、先ほどありました、景観形成重要地域であるので、景観審議会に報告したかという質問に対して、説明したというふうに受けましたけれども、それでよろしいですか。


◯中西照典議長 竹内市長。
                  〔竹内 功市長 登壇〕


◯竹内 功市長 先ほどお答えしたとおりです。そして、いろいろ経過がある弓道場の建設に関しては、当然新設に当たって、古いほうは撤去するという内容は検討の委員会の中でも前提の議論として出ていましたし、その議論がされたという、そういう認識が十分されて、新設の議論が具体化されていったということもつけ加えておきたいと思います。


◯中西照典議長 太田縁議員。


◯太田 縁議員 前提の議論ということがありましたけれども、まずはその景観についてですけれども、景観法ということについて私は何度もお話ししていますけれども、景観というものは1人のものではない、みんなのものなんです。だから、石垣がすとんと見える、道路がずばっとついていく景観が美しいと思っておられる方もおありでしょう。しかし、木造の弓道場があって、それを山に久松山を見る、その景観が美しいと思っている人もいるわけです。ですから、ここを景観協議会とかというものを制定して、みんなでこの景観がどうあるべきかということを本来は議論するべきなんです。そういう場所が必要なんです。

市長はいつも、鳥取市が決めたからと。実は、この弓道場に関してもツイッターやホームページ、いろんなところで私のところにも届いております。フェイスブック等でも上がってきています。要するに市長は、市民の意見は聞いたんだと。でも、それは建設していく委員会の中の人の意見であって、ほかの市民の方の意見はしっかりと市長のところにはどうやら届いていないようなんです。先ほども申し上げましたけれども、やはりきちっと調査、現状を調べていく、今どうであるかということがベースになければ語れないわけです。大手登城路のことも前回のこの場で申し上げました。やはり住民の方の理解がなければ、あそこの進入路がなくなるということは住民にとっては非常に不便なことであったり、避難路に関してもいろんな問題があるんですよということは申し上げました。

市長は、鳥取市が決めたんだと。決めたんですから、当然それを情報として公開します。それに意見がある方は言ってくださいと。言いました。でも、この弓道場のホームページも、御理解ください、決定しましたと。少数の意見を取り上げよう、あるいは本当に困っている人たちの意見を取り上げようとはしないわけです。そこのところを市長は何かお間違えになっておられるような気がするんですけれども。


◯中西照典議長 竹内市長。
                  〔竹内 功市長 登壇〕


◯竹内 功市長 弓道場につきましては、議会に陳情も出て、議会で採択されているという経過もございます。太田議員も知らないで質問されているとは思えませんが、そういうこともあって、積極的に市としてもこの整備を、現在の弓道場では6人立ちでしたか、少ないので、もっと大きなものにしてほしいとか、遠的の練習もできる施設にしてほしいとか、そういう要望があって、市としても積極的な整備に取り組んでいるわけであります。それをまず基本的に、議会も含めて推進してきた。予算もそういう内容で決定をいただいてきている。そして、今、残してほしいという声があるということに関しては、議員も議場の中で発言されております。そういった声もきっと関係者の一部にはあるのかもしれません。しかし、大きな流れとして、史跡と共存する、史跡の整備、そして西高の耐震改修、こうしたことを共存させていく中で、弓道場はいろいろ適地の検討もされて、そして鳥取市の弓道場として布勢にあるのが適切だという検討委員会での議論があって、それからパブリックコメントも経て、それ以降に鳥取市として方針を決めて予算化してやっているわけで、鳥取市が決めてから始めたというのは全く事実に反する議論ですよ。そういう事実に反する議論を議場でするのはやめていただきたいと思います。

ダウンロード
平成24年12月定例会「弓道場と住民との合意形成」.pdf
Adobe Acrobat ドキュメント [91.7 KB]
ダウンロード